大学卒業と就職祝いを兼ねて両親に連れて行ってもらった旅館です。
旅館がある石川県では、泊まってみたことはなくても名前は誰でも知っているような憧れの旅館でした。
実際に30年以上おもてなしの面で日本一に選ばれ続けている、という謳い文句がついていたので、宿泊前からハードルがあがりきっていました。
そのハードルを軽く超えてくるような体験をしたので、順を追って詳細に書いていきたいと思います。
まずは、到着した際ですが、スタッフによるお出迎えの人数がこれまでに経験したことがないものでした。
宿泊したプランはこの日に宿泊する人のなかで特別高いプランというわけでもなかったので、行列になったお出迎えに驚きました。
車から出た瞬間に荷物を運んでくれ、スタッフが人数だけいる状態になっていなかったので、日ごろからよく訓練されているのだなと感心しました。
館内に入ってからは、まず中の巨大さに驚きました。お土産品や地元の特産品を扱った露店などが立ちならぶ通りがあったり、館内のいたるところに希少な調度品や伝統工芸品があったり、様々なイベントや劇団によるショーが開催されていたりと、たとえはあまり良くないかもしれませんが、大型のショッピングモールやテーマパークに来たような気分になりました。
館内を散歩してみて回るだけでも発見があり、宿についてから一歩も外に出なかったとしても観光を存分に楽しんだ気分になれるように感じました。
時間の都合で参加できなかったのですが、館内の美術展示品を解説して回るツアーがあり、予定を合わせればよかったと後悔しています。
館内に入り部屋に行った後、外せないのは温泉です。
加賀屋が和倉温泉のシンボル的な旅館であり、泉質はもちろん、大浴場の立地が素晴らしいです。温泉から一面の七尾湾を望むことができ、露天風呂はほとんど海で温泉に入っているような感覚です。
和倉温泉のお湯は海の塩辛さが強いのですが、これほどに海とのつながりを感じさせる温泉は他にないんじゃないかと思いました。
温泉の後は待ちに待った夕食です。
夕食は部屋食でいただき、スタッフの方が丁寧に支度をしてくれていました。
プランによって詳細は異なるとは思いますが、食事のメニューより、使っている食材に強いこだわりがあると思いました。
地元でとれる珍味がふんだんに入っていて、食事を運んできてくれるスタッフさんが解説してくれるので、舌はもちろん、耳も頭も楽しい食事の時間を過ごすことができました。
記憶では、はじめて口にした食材や部位が6つはあり、加賀屋でしか体験できないものを提供するという意思を強く感じました。
食事中にはもともとプランに入っていた祝いのメッセージや品物とは別に、女将さんから記念の湯呑のサプライズプレゼントとお礼の言葉をいただき、一人一人にここまで丁寧にサービスを提供するのか、と感動を超えて感心してしまいました。
普通の旅館のサービスよりレベルが高いものを提供するのではなく、この旅館にしかないサービスをする!という心意気を存分に味わえる素晴らしい宿でした。
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